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俳句の勉強21 眼中のもの皆俳句

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晩  冬 

二十四節気 大 寒

七十二候  水沢腹堅 さわみずこおりつめる

 

皆様、こんにちは

今回は、藤田湘子『新版20週俳句入門』第14週目「眼中のも皆俳句」を勉強します。

 

  

 *継続こそ素質

一ヶ月に三十句作ること  俳句は作っているうちに分かってくる

 

 *そこにある。そこに見える

〈例句〉 

どんぐりを数えてみたりテーブルに     美木子

ひと握りほどのどんぐりを、テーブルの上にパラパラとおいたところ。そんなふうに、どんぐりのおおよその分量が見えてくる句。この「見えてくる」ということがすごく大切。詠った対象が、〈そこにある〉〈そこに見える〉というのが佳句の条件。

 

 *季語がうごく

夕空の雲ふえにけり文化の日

夕空の雲ふえにけり暮の秋

夕空の雲ふえにけり寒鴉(かんがらす)

「冬支度」「春祭」「春田打」‥と他の季語にかえても通用する。こういうのを「季語が動く」といって、「まだ不十分」の意味を含んで使われる。「季語が動く」原因は、

①季語が適切でない

②季語以外のフレーズの表現が不十分である

ということだが、ほとんどは〈季語以外のフレーズが平凡で特徴がない〉ことに起因する。

ちなみに空、雲、山、海、太陽、月、星などの、ひろがりの大きい対象だけでフレーズを作ると、たいてい特徴のないものになってしまうので注意すること。

 

 *悪い句の見本

俳句の中に次のような内容を盛りこもうとすると、まちがいなく失敗する。

・道徳観、倫理観、教訓

・理屈、分別臭

・風流ぶり、気どり、低劣な擬人法

・俗悪な浪花節的人情

〈例句〉

蟬鳴くやこの世に命ある限り

風化せぬ悲しみあらた終戦日

蓑虫に似たるさだめか母老いぬ

薔薇咲いて恥ぢらひ我に教へけり   

こういう俳句を作らないためには

①俳句に基本的作り方、型はもちろんのこと、「写生」「描写」することを徹底する。

②「俳句は韻文である」ということを意識する。

 

 

 

〈今週の暗誦句〉

玫瑰(はまなす)や今も沖には未来あり

蜥蜴(とかげ)の尾鋼鉄光(まがねびか)りや誕生日

蜩(ひぐらし)のなき代わりしははるかかな

冬の水一枝(いっし)の影も欺かず

                     中村草田男

 

 

【今日の一句】

嫁が君この家の勝手知り尽くし

             轡田進