素直な気持ち  

俳句のこと、日々の出来事などを綴っています

俳句の勉強19 二つめの型へ進む

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仲 冬

二十四節気  大 雪

七十二候   熊蟄穴  くまあなにこもる

 

皆様、こんにちは

最近、俳句の勉強も俳句づくりもしばらくお休みしていましたが、頑張って続けていきたいと思います。

今回は藤田湘子『新版20週俳句入門』の第12週目「二つ目の型へ進む」です。

 

勉強したこと 

 

*〔型・その2〕

お手本の句

寄せ書の灯(ひ)を吹く風雨蛙    渡辺水巴

ふるさとの沼のにほひ蛇苺   水原秋桜子

真下なる天龍川蕨狩(わらびがり) 富安風生

共通点は、中七の終わりに切字「や」があること、下五が季語で名詞止めになっていることの二点。

この型を〔型・その2〕とする。

 

(上   五)  (中     七)  (下   五)

                 や   季語(名詞)

 

  寄せ書の     灯を吹く風や     雨  蛙

        B               A

AとBの配合の句である。Bのフレーズが季語「雨蛙」と直接関わりのない内容である。

つまり、〔型・その1〕を逆にした型である。

けれども、〔型・その1〕では下五にがっちりと名詞をおいていた。

〈男がつくる手打そば

〈衣干したる雑木林

こうした手打そばや雑木林がひとつらねのフレーズの要となっていただが、〔型・その2〕ではそれが明確ではない。したがって、〔型・その2〕のフレーズ(B)を作るときは、上五・中七のフレーズによって、ある風景なり人事の場面のイメージが、読者になるべく具体的に浮かんでくるような作り方をすること。

上五・中七によって一つの情景がうかび、それが下五の季語とひびき合っていっそう鮮明になる、というように。

  

*〔型・その2〕の応用型

基本型と同じく下五に季語のおかれた例

淋しさにまた銅鑼(どら)うつや鹿火守(かびやもり)  原石鼎

ひつぱれる糸まつすぐや甲虫  高野素十

校塔(こうとう)に鳩多き日や卒業す  中村草田男

 

上五や中七に季語があって、下五は季語以外の言葉から成っている句

炎天の空美しや高野山   高浜虚子

たんぽぽの大きな花や薄曇(うすぐもり)  松本たかし

かりそめに燈籠(とうろう)おくや草の中  飯田蛇笏

 

以上の6句は「や」のまえと後ろで、意味、内容がそれほど大きく変わっていない。どういうことかというと、〈季語〉に直接切字「や」がついていないからだが、この「や」は主として、一句の韻文としてのリズムを整えるために使われているのである。もちろん切字だから、詠嘆もあれば省略もあるが、主目的はリズム感の高揚にある。

例えば、上の例句を「や」使わずに作り替えてみると、メリハリのない意味だけをつらねた句になってしまう。

淋しさにまた銅鑼をうつ鹿火屋守

ひつぱれる糸まつすぐに甲虫

炎天の空うつくしく高野山

かりそめに燈籠をおく草の中

 

*古臭さ・常識・独善はいけない

うまくいかない作り方三つ

①たいへん古臭い対象に目を向けたもの

②幼稚なことや、常識極まりないことを詠んだもの 

③観念的、独善的なフレーズをふりまわしているもの

 

①の作例

落葉降る水子地蔵の風車

秋も逝く読経の声と木魚かな

今の時代、俳句=神社・仏閣(“わび”“さび”)は古い。学校の教科書に載っている古い俳人の作品などの影響を受けず、現代に生きる作者自身の興味を惹く対象を、ためらわず作品化することに専念すること。

 

②の作例

孫とゐてうれしきビール重ねけり

夫婦して愛の絆の雑煮かな

作品が幼稚ぽくなるのは、子どもや孫を詠んだとき。

 

③の作例

万緑と対話ができて村愛す

おそ咲きの朝顔われに微笑みて

郵便夫木犀の香もとどけくる

最初は感動したかもしれないが、それを素直にフレーズにしないで、かっこよくみせようとしてしまっている。

 

「俳句を作る」態度の基本は、対象に素直に接し、素直に感動を表現すること。そうした詠い方の中に、しぜんに作者の生き方やおもいが出てくるもの。「写生」「描写」が俳句の作り方の基本だが、それ以前に、作者の純粋な素直な態度が大切である。

 

 

・宿題 〔型・その2〕で2句作ること

 

〈今週の暗誦句〉

 春の灯や女は持たぬのどぼとけ

 ところてん煙のごとく沈みをり

              日野草城

 花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ

 谺(こだま)して山ほととぎすほしいまゝ

              杉田久女       

  

 

【今日の一句】

 水仙は密に挿しても孤なる花

              大橋敦子