初 秋
二十四節気 処 暑
七十二候 綿柎開 わたのはなしべひらく
皆様、こんにちは
しばらくサボっていました。
今回は『新版20週俳句入門』8週目、「作句へスタート」です。
今週から実作編になります。
*基本の四形式
「四つの型」にそって作句を進めていく
*配合の句・一物の句
俳句の作り方は大別して二つの方法がある
・配合の句
・一物の句
例)
遠山に日の当たりたる枯野かな
けふの月馬も夜道を好みけり
秋たつや川瀬にまじる風の音
遠山と枯野
月と馬
立秋と川瀬の音
という組み合わせから成っている。その組み合わせの一方は季語
(棒線)である。
この作り方は二物衝撃とも言われ、二つのものがぶつかり合って
幅広い連想を呼び出す仕組みとなっている。
一方の、一物の句とは
冬菊のまとふはおのがひかりのみ
露の虫大いなるものをまりにけり
これらはみな、「冬菊」「虫」と言った季語そのものをとことん
見据えて別のものの手を借りずに、その本質に迫ろうとした詠い方。
一物の句はむつかしい。そのわけは、一つの対象(季語)を深く
観察して作者独自の発見をしなければならないからである。
初心者にはむつかしいので本書ではふれない。
*[型・その1]
名月や男がつくる手打ちそば
極寒や顔の真上の白根嶽
七夕や風のしめりの菓子袋
紅梅や病臥に果つる二十代
上五 中七 下五
名月や 男がつくる 手打ちそば
(A) (B)
AとBとの配合、二物衝撃によって成り立っている。
[型・その1のポイント]
① 上五に季語を置き、「や」で切る。
② 下五を名詞止めにする。
③ 中七は下五の名詞のことを言う。
④ 中七・下五はひとつながりのフレーズである。
⑤ 中七・下五は、上五の季語とまったくかかわりない内容である。
—『新版 20週俳句入門 (角川俳句ライブラリー)』藤田 湘子著
*第一作の作り方
①詠みたいと思う対象をよく見つめて、その中から下五名詞止めに使う五音の名詞を探す。
②次にその下五とひびき合うような(配合としてちょうどいいと思える)季語を決める。
(①と②の手順は逆でもいいが、季語を先に選ぶと、中七でどうしても季語のことを言いたくなる傾向がある)
③あとは中七で、もっぱら下五の名詞のことを、見たとおり素直に言うようにする。
(気どったり、いい格好しようなどと思ってはいけない)
(自分の感情をむき出しにした言葉にすると失敗する)
④最後に、作品がちゃんと五・七・五担っているかどうか、確かめる
—『新版 20週俳句入門 (角川俳句ライブラリー)』藤田 湘子著
宿題
来週までに[型・その1]で二句作ること
【今週の暗誦句】
鱚釣りや青垣なせる陸(くが)の山
匙なめて童たのしも夏氷
美き雲にいかづちのゐるキャムプかな
捕鯨船嗄(か)れたる汽笛(ふえ)をならしけり
山口誓子
【今日の一句】
秋立つと酒田の雨を聴くばかり
黒田杏子