晩 春
二十四節気 穀 雨
七十二候 牡丹華 ぼたんはなさく
皆様こんにちは
今日は「切れ字」の勉強です。
まずは「切れ字の効果」について
切れ字の効果は絶大で、「切れ字を制する者は、俳句を制す」といいます。
切れ字の効果
その一 強調•詠嘆
その二 省略
その三 俳句らしい風格を生む
その一 強調•詠嘆
古池や蛙飛び込む水の音
の場合、「古池や」の「や」は直前の「古池」を強調しつつ、「古池だなぁ」と詠嘆している。
加えて、映像を切り替えて、ニカットの俳句にする効果もある。
「古池に蛙飛びこむ水の音」
「や」を「に」にすると、一句の意味が直線的になって印象が薄くなってしまう。
その二 省略
切れ字で何を省略するのか?
「古池や」なら、「や」によって「古池」の情報を省略している。「古池」を詳しく説明すると、それだけで十七音を超えるから。
必要な情報以外を省略することで、読み手それぞれが自由に「古池」を想像してくれる。つまり「切れ字」は、必要最低限の情報以外を省略しながら、連想も拡げてくれる。
切れ字の裏に、色々な情報が隠れている!
その三 俳句らしい風情を生む
「古池や」と「古池に」を比べると、やっぱり「古池や」のほうが、俳句らしさが出ている。
それに、俳句は韻文なので、「切れ字」をうまく使うことで、俳句にリズムが生まれて、散文っぽさをある程度解消できる。
韻文とは 短歌、俳句のように言語•文字の配列や音数に一定の規律のあるもの。
韻文とは 小説、新聞、ネットニュース、メール…など文字数や音数に制限のない文章のこと。
夏井いつき『世界一わかりやすい俳句の授業』より
やっぱり切れ字を使うとグッと俳句らしくなるなぁ。
切れ字を制する者は、俳句を制す!
【今日の一句】
一人静むらがりてなほ淋しけれ
加藤三七子