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俳句の勉強6 切れ字

 

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晩 春

二十四節気  穀 雨

七十二候   牡丹華  ぼたんはなさく

 

 

皆様こんにちは

今日は「切れ字」の勉強です。

 

まずは「切れ字の効果」について

切れ字の効果は絶大で、「切れ字を制する者は、俳句を制す」といいます。

 

切れ字の効果

その一 強調•詠嘆

その二 省略

その三 俳句らしい風格を生む

 

 

その一 強調•詠嘆

古池や蛙飛び込む水の音

の場合、「古池や」の「や」は直前の「古池」を強調しつつ、「古池だなぁ」と詠嘆している。

加えて、映像を切り替えて、ニカットの俳句にする効果もある。

 

「古池に蛙飛びこむ水の音」

「や」を「に」にすると、一句の意味が直線的になって印象が薄くなってしまう。

 

 

その二 省略

切れ字で何を省略するのか?

「古池や」なら、「や」によって「古池」の情報を省略している。「古池」を詳しく説明すると、それだけで十七音を超えるから。

必要な情報以外を省略することで、読み手それぞれが自由に「古池」を想像してくれる。つまり「切れ字」は、必要最低限の情報以外を省略しながら、連想も拡げてくれる。

切れ字の裏に、色々な情報が隠れている!

 

 

その三 俳句らしい風情を生む

「古池や」と「古池に」を比べると、やっぱり「古池や」のほうが、俳句らしさが出ている。

それに、俳句は韻文なので、「切れ字」をうまく使うことで、俳句にリズムが生まれて、散文っぽさをある程度解消できる。

 

韻文とは  短歌、俳句のように言語•文字の配列や音数に一定の規律のあるもの。

韻文とは  小説、新聞、ネットニュース、メール…など文字数や音数に制限のない文章のこと。

 

        夏井いつき『世界一わかりやすい俳句の授業』より

 

 

やっぱり切れ字を使うとグッと俳句らしくなるなぁ。

切れ字を制する者は、俳句を制す!

 

 

   【今日の一句】

       一人静むらがりてなほ淋しけれ 

                加藤三七子